参考資料のページ


ここでは私が参考にさせていただいている資料・文献などを紹介したいと思います。


日本の業務用受信機
13版 294頁 2007年 金道英雄著 





 戦後日本の短波を中心とした受信機技術は、船舶や無線局などで使用される業務用(プロ用)の受信機が牽引役となり発展してきました。こういった受信機のほとんどを網羅していると思われるくらい多くの機種が紹介されており、まさに著者の金道英雄さんの労作です。2007年現在13版を重ねており、各メーカの解説など含め、内容もますます充実しています。この手の受信機に興味がある方には、是非おすすめです。
 金道さんに紹介文を書いていただきましたので、以下に掲載します。


「日本の業務用受信機13版」

船舶用を中心にプロの現場で活躍してきた、戦後の日本の受信機を長年調査してきた著者が個人的にまとめた全294頁の資料です。
JRC、フルノ、七洋、協立電波、アンリツ、沖、日本電気、東芝、日本電業、穂高等々ほとんどのメーカの受信機を網羅してます。搭載していた船舶名もたくさん記載してます。
マニアの中でも絶対的な人気のある小林無線製作所の受信機にもスポットを当てています。

「ヤフー アマチュア無線/受信機」のオークションで出品していますので、興味のある方は覗いて見て下さい。秋葉原の内田ラジオでは手にとって見れます。
また、コリンズで有名な横浜の「エイチアンドエム」さんにも置かせてもらっています。ここをご覧ください。


なお2008年には14版に改訂され、さらに充実した内容になっているようです。


Shortwave Receivers Past & Present
3rd Edition  473 Pages  1998  By Fred Osterman 
Buying A Used Shartwave Receiver
4th Edition  78 Pages  1998  By Fred Osterman 







「Shortwave Receivers Past & Present」
は1942年以降現代までの世界の短波受信機を紹介した、ここで説明するまでもないほど有名な解説書です。世界の主なメーカの主な通信型受信機(Communications Receivers)総計700種以上の機能・仕様等が写真とともに整理されていて、世界中の短波受信機ファンがリファレンスとして用いています。面白いのは各機種の評価(Rating)を最大5つ星で付けていることで、性能等の目安になると思われます。(ただし日本の業務用受信機についてだけ見ればJRCなどの有名メーカに限られますので、上の金道さんの資料には及びません)
 これはAmazonなどネット書店で検索すると出てきますが、人気があるせいかかなり高価です。私はeBayのオークションで比較的安価できれいな中古本を入手しました。また米国の無線機商Universal Radio社で扱っているようで、ここでサンプルなどが見られます。

「Buying A Used Shortwave Receiver」は上のいわば姉妹本で、上ではカバーしていない70年代以降のソリッドステートのアマチュア向け短波ラジオ/受信機を中心に、代表的な100種程度を紹介しています。BCLなどに使いやすく、比較的モダンで中古品も入手しやすい機種の例を取り上げているということのようで、決してあらゆる機種を網羅しているわけではありません。世界的に見ればこの種の受信機/ラジオは何百何千とあるはずで、それのごく一部であることに注意が必要です。これもここでサンプルなどが見られます。


Radios by hallicrafters
2nd Edition  220 Pages  1999  By Chuck Dachis 
The Zenith Trans-Oceanic :  The Royalty of Radios
(1st Edition) 160 Pages  1995  By Harold Cones & John Bryant 







「Radios by hallicrafters」
は米国の有名なHallicraftersコレクターによる、これまた有名なHallicrafters社製品の解説本です。ほぼすべての受信機、ラジオのほか、テレビ、トランシーバほかの無線機類などを網羅しています。ほとんどの機種にきれいな写真が掲載されており、これらを眺めているだけでも楽しくなります。
 これもAmazonなどで入手できますが、eBayオークションなどの方が安価で入手できる可能性があります。

「The Zenith Trans-Oceanic」はその名の通りポータブルラジオの王様Trans-Oceanicシリーズの解説本ですが、Zenith社の歴史に始まり、電池管機種からソリッドステートのRoyalシリーズまで各機種の解説、当時のラジオ製造事情、技術解説、データなど、ページ数なりの読みごたえがあります(もちろん英文で、さらに活字が小さいので、私にはちょっとしんどいところもあるのですが)。当時の広告や写真が随所に入っているのも楽しめます。
 これもAmazonにありますが、私はeBayオークションで見つけたCollector Bookstore社というところから、ずっと安価で購入しました。
 なお2008年には 2nd Edition に改訂され、表紙のデザインも変更されているようです。


情熱の真空管アンプ
429頁 2004年 木村哲著
VINTAGE RADIO COLLECTON
238頁 2004年 矢澤豊次郎著






「情熱の真空管アンプ」は私が真空管アンプを製作する際に勉強させていただいた本です。全段差動プッシュプルという興味深いアンプを扱っているのが特徴ですが、それ以前に一般的な真空管アンプの設計方法や、それを製作するために必要な知識などが丁寧に解説されています。実践的な内容がわかりやすくかつ理論的に解説されていますので、オームの法則程度の基礎的な電気の知識があって、これから自分で真空管アンプを設計・製作してみようという方には、ベストな一冊だと思います。

「VINTAGE RADIO COLLECTION」はCQ出版社の Radio Classics Booksシリーズの一冊で、米国の老舗メーカの真空管受信機の解説書です。取り上げられているのは30機種強と限られますが、いずれも往年の名機で、的確な解説がなされていると思います。値段がかなり高い本であることが難点ですが、付録のCD-ROMに回路図などが収録されており、資料としての価値も高いと思います。

2007.12.22
Add.  2008.2.1
Mod.  2008.12.28
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