三栄無線   PK011






 少し前(2004年頃)のことになりますが、三栄無線のアンプキットPK011を組み立てました。真空管ラジオのキットをいくつか組み立てた後に、真空管アンプも何か組み立てたいと思い探していたところ、一番簡単そうなものとして、これを見つけました。6BM8単球のシングル・ステレオアンプ(従って全部で2球)で、これ以上単純な構成の真空管アンプはないと言ってよいでしょう。同じ様な構成の入門機としてはエレキットのTU-870もあるですが、PK011のほうが手作り感があって好ましく思いました(TUシリーズのデザインのほうがスタイリッシュと言えるでしょうが、それが逆に私の好みではない)。ただ残念ながら三栄無線の現在のラインアップからPK011は無くなってしまったようです。

 6BM8は1球で電圧増幅とちょっとした電力増幅ができる複合管として、私がラジオ少年だった頃にはテレビや簡単な音響装置によく使われるポピュラーな球でした。そんなどこにでも使われていた球でも、完成したPK011は真空管アンプの良さを私に再発見させてくれるのに十分なものでした。後からわかってきたのですが、良くない球なんてものは無くて(特にポピュラーに使われていた球には)、肝心なことはどんな球を使うかということではなく、どのように球を使うかということなんですね。

 PK011はスペースにも余裕があり、いろいろ改造したり実験したりするのに最適と思いますが、私のは回路などには特に手を加えず、ただボンネットが真空管の部分を覆う金属格子だけだったので、後ろのトランスの部分にスモークのアクリルでカバーを自作しました。

2008.5.11

「真空管ラジオ・アンプ」 へ戻る
次へ(電池管4球スーパーボータブル)