Jewellery Box 2A3


 サンバレー(ザ・キット屋さん)のJB 2A3は、12AU7(パラ)-6BQ5(三結)-2A3のシングルステレオアンプです。ふくよかで澄んだ音色(と言うと矛盾しているようですが、まさにそんな感じなのです)が気に入って、私の常用アンプになっています。

 このアンプは回路も外観もほとんどキット屋さんのオリジナルのままで、特に大きな改造は加えていません。ただ真空管むき出しでは怖いと家族が言うので、まわりに透明のアクリル板でカバーを作ってかぶせてあります。カバーの天井には放熱孔を開け、またカバー側面の 下端や背面の上端と下端には、空気が出入りするよう若干の隙間を設けてあります。真空管周辺のシャシにも多数の放熱孔を開けましたが、これを利用して、ヒーター配線の一部はシャシの上側を通しています。


 左の写真はシャシ内部です。回路自体はオリジナルのままですが、アースラインをはじめ、配線の引き回しやラグ板の使い方は、独自に多少工夫をしてあります。工夫の甲斐あってか、ハムノイズはほとんど気になりません。

 既に2ヶ月近く使用していますが、安定して大変良い音が出るようになってきました。さすがは2A3と言うべきか、大きな出力トランスが良いのか、長らくブランクのあった私にはよくわかりませんが、昔ラジオ少年だった頃の類似のアンプより格段に進歩しているような気がします(当時も2A3は良い音の代名詞だったと思うのですが)。おそらくこの30年近くの間に、回路技術や部品の進歩があったのでしょう。当時購入した某音響専門メーカ製のソリッドステートの中級インテグレーテッドアンプが現代のアンプと比較しても全く遜色ないため、これをずっと愛用してきましたが、JB 2A3が完成してからはJBに主役の座を譲ることになりました。私の音の好みが変化してきたのかもしれませんが、とにかくこのふくよかな音には大変満足しています。
2005.3.27
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