SUPER SUBの改造記 |
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1.コンセプト アンプの常識には全く反するかもしれませんが、なるべくスケルトンな、つまり中身が見えるアンプを作りたいと考えました。全体写真に示しましたように、外周はすべて透明のアクリル板で作りました。ただし内部の仕切りにアルミ板を2枚使っています。 |
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2.どんな構造になっているかと言うと・・ 天井と左右側面のアクリル板をはずして、横から見た写真2枚(左側から見たものと右側から見たもの)を撮りました。多少わかりずらいかもしれませんが、内部は上下3層になっており、各層の仕切り板がアルミです。上から順に説明しますと、最上層に真空管と出力トランスが、仕切り板を挟んで中層に主要回路の小部品・配線が、さらに仕切り板を挟んで最下層に電源トランス、チョーク(安定器)などの電源部があります。 2枚のアルミ仕切り板と床のアクリル板は、長さ100ミリのボルト6本で上下の間隔を固定しています。このうち4本は出力トランスの固定ボルトを兼ねており、トランスの重量を支えています。 |
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写真ではわかりにくいのですが、最上層の背面に入力ピンジャックとスピーカー端子、中層の前面に音量ボリュームとヘッドホンジャッ
ク、最下層の前面に電源スイッチ、背面に電源コネクタとヒューズホルダを、それぞれアクリル板に取り付けてあります。 なお修理や改造がしやすいように、容易に分解できるようにしてあります。周囲のアクリル板を取り去って中身を分解した写真を撮りました(左下)。写真の左側は上の仕切り板の下面で、真空管ソケットやラグ板に配線してあります。写真の右側は下の仕切り板の下面で電源部になっています。両者はB+、Bー(アース)、ヒーター2本、ヒータートランス中点の計5本の配線でつながっています。 |
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こういうシャーシで一番問題になるのは、ノイズ対策と思われます。電源トランスと出力トランスとは、上下方向にも左右方向にも最も遠くなるよう配置し、また両者はアルミの仕切り板2枚で隔てられるようになっています。 また配線の取り回しについても、信号の回り込みが懸念されるところはアルミ板の上下に分けたり、信号の流れに留意してアースラインの取り回しを決めています。 |
まだ10数時間ほどの通電時間ですが、どの音域も良く出ており、とても豊かな音に感じます。SUPER SUBは非常にコストパフォーマンスの高いアンプであることを実感しております。スケルトンなアンプなんて専門家の皆様には一笑にふされてしまいそうな代物ですが、自分ではいかにも「生きている」ような感じがするところがなかなか気に入っており、自己満足に浸っております。
ただし今回は工作のしやすさを重視して、少し薄めのアクリル板、アルミ板を使ったので(アクリル板は2ミリ、底板のみ3ミリ、アルミ板は1ミリ)、ケース全体の剛性が多少不足気味かなという感じです。今回の経験を生かして、次回は別のアンプでさらに挑戦してみようと考えています。
5.その後・・・
その後、JB 2A3を組み立ててからはJBがメインとなりましたが、ソースによってはSUPER SUBの迫力が好ましく、切換え器を作ってどちらも楽しめるようにしています。SUPER SUBは6EM7のプッシュプルですが、価格が手頃で音が良くコストパフォーマンスは抜群で、また回路の改造・発展などにも向いていると思われますが、残念ながら製造終了となってしまったようです(2005年3月現在)。もし6EM7がまとまって手に入るようなら、是非とも発展型の後継機を期待したいところです。
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